「自閉スペクトラム症ってどんな特徴があるの?」
「うちの子はぜんぜんしゃべらないけど、ASDなのかな?」
自閉スペクトラム症(以下、ASD)は、代表的な発達障害のひとつです。
たとえば、ASDのお子さんは、コミュニケーションがうまくとれなかったり、特定のものに強いこだわりをもったり…など、共通する特徴や症状があります。
おそらくこの記事を読んでくださっているあなたも、「子どもがASDかも…」と不安になっているお母さん、または、自分が教えている子どもがASDではないのかと考えている先生・指導者かもしれません。
そこで、今回はASDのお子さんに見られやすい特徴や症状について、わかりやすく解説していきます。
ただ、そのような行動が見られたからといって、必ずしも発達障害であるとも限りません。
また、ASDをはじめ、発達障害児と健常児は明確に判別するできるものではなく、むしろ、連続状(スペクトラム)とされています。
つまり、健常児とされているお子さんにも、一部発達障害的な部分があったりしますし、発達障害と診断されていたとしても、一部そのような症状が見られるだけで、他は健常児と変わらない子どももいるのです。
ですので、今回ご紹介する自閉スペクトラム症のお子さんに見られやすい特徴は、あくまでも”目安”であることを理解した上で、参考にしていただけると幸いです。
では、見ていきましょう。
【どんな特徴・症状が見られるの?】
ASDスペクトラムの17つの特徴・症状
ASDのお子さんには共通して見られる特徴や症状があります。
具体的には以下の17つの特徴・症状があります。
①コミュニケーションが苦手
②言葉をなかなか発しない
(クレーン現象を含む)
③相手の言葉をそのまま繰り返す
④感情や反応が薄いように見える
⑤特定の物事に対してのこだわりが強い
⑥感覚に偏りがある(敏感さ・鈍感さ)
⑦不安や緊張を感じやすい
⑧人への興味や関心を示しにくい
⑨興味や関心を共有しようとしない
⑩コレクションが好き
⑪同じ動作を繰り返す(常同行動)
⑫ルールに執着する
⑬言葉の意味をそのまま受け止めやすい
⑭同時に複数のことをできない
⑮切り替えがなかなかできない
⑯あいまいな空間・時間の把握が苦手
⑰運動・手先の動きが苦手
では、それぞれの特徴・症状についてもう少し詳しく見ていきましょう。
①コミュニケーションが苦手
ASDのお子さんは脳の特定の部分の発達が遅れることで、コミュニケーションにおいて苦手さや困難を示すケースが多くみられます。
そのため、お母さんもお子さんとか変わっていて、”育てにくさ”を感じることも多いと思います。
お子さんに話しかけてみたり、話題をふってみたりしても、無視したり、反応が薄かったり…。
そして、そのような反応にイライラしてしまうこともあると思います…。
(ほかにも、人の気持ちがわからなかったり、言いたいことを一方的に話したりする特徴が見られることもあるため、余計に母子・友人関係をじょうずに築けないことがあります。)
また、保育園や幼稚園の先生、そして、お友達とも上手にコミュニケーションが取れないため、友達ができにくかったりすることもあります。
ただ、これも脳のアンバランスな発達が原因であるため、子ども自身を責めても解決しません。
(もちろん、乳幼児期に根気強く適切な脳のトレーニングをすることで、症状に改善が見られることは多々あります。)
そのため、明らかにコミュニケーションが苦手な場合やお母さんやお父さんの言葉かけやアクションに反応を示さない場合は、ASDの可能性があります。
②言葉をなかなか発しない
これは、先ほどの”コミュニケーションの苦手・困難”にも関連しています。
子どもは生まれてから約半年で「あー」「うー」などの喃語を発し、その後、少しずつ母子のコミュニケーションやそのほかの人との関わりによって言葉を習得していきます。
また、1歳半から2歳くらいには”語彙爆発”を起こし、さまざまな単語を覚え、話すようになります。
ただ、もちろんこれには個人差があるので、言葉の発達が遅い・早いという個人差はあります。
ですが、1歳半~2歳になっても、まったく言葉を発しなかったり、こちらの問いかけや声掛けに対してもぜんぜん返答しないようであれば、一度診断を受けることをおすすめします。
また、このような症状が見られる場合、聴覚に異常がある場合もあるので、早めに診断してもらうようにしましょう。
ASDのお子さんに見られる発達障害の症状の一つに“クレーン現象”があります。
これは、例えば、ほしいものがあるときに、「あのおもちゃを取って」と言葉で伝えずに、ほしいものがある場所までお母さんの手を引いて連れていこうとします。
このような現象を”クレーン現象”と言います。
③相手の言葉をそのまま繰り返す
ASDのお子さんは、相手が言っていることを理解できないと、そのまま同じ言葉やフレーズを繰り返す特徴が見られることがあります。
これを「エコラリア」といいます。
このような特徴があるのを知らないと、お母さんやお父さん、また、他の大人は「わざと」やっている」「怒らせようとしているんじゃないか」と誤解してしまうことも…。
もちろん、お子さんが親御さんの言動をマネしたりすることはありますが、ASDのお子さんの場合、それは「言っていることが理解できていない」という”あらわれ”でもあります。
そのため、このような特徴が頻繁に見られる場合は注意しましょう。
④感情や反応が薄いように見える
赤ちゃんは、お腹が空いたり、おもらしなどでオムツのなかが気持ち悪いと感じると泣いてそれを伝えようとします。
また、ふつうのお子さんであれば、くすぐれば笑いますし、乳幼児期の小さいお子さんであれば安心を求めようとしてお母さんとのスキンシップを求めます。
そのなかでアイ・コンタクトによるコミュニケーションを覚えたり、笑いかけると、笑い返したりするなどの反応を示すようになります。
ですが、ASDのお子さんの場合、くすぐったり、あやしたりしても笑わなかったり、反応を示さなかったりすることがあります。
そのため、明らかにこちらからの働きかけに対してお子さんの反応が薄かったり、感情表現が乏しかったりする場合は、ASDの可能性があります。
⑤特定の物事に対してのこだわりが強い
ASDのお子さんは、毎日のささいな変化に敏感で、ワクワクしたり、驚いたりなどの感情を持ちにくいです。
むしろ、「いつも通りの毎日」を願い、安心を求めています。
そのため、日常生活においても、なるべく同じことをしようとします。
ですが、ちょっとした変化は日常茶飯事ですよね…。
そのようなときに、ASDのお子さんは同じ言葉を口にしたり、特定の行動を繰り返すことによって、変化が起きても、そのなかで”いつもどおり”を求めます。
つまり、このような行為によって不安や緊張をやわらげようとしているのです。
ただ、2015年ごろの研究からASDの人々にも独特な創造性があることが報告されているので、同じことを繰り返すからといって、独創性や創造性がないというわけではありません。
ですが、ふつうのお子さんより、”いつもどおり”に対してのこだわりが強く見られる場合は、ASDの可能性があるといえます。
⑥不安や緊張を感じやすい
ASDのお子さんは不安や緊張などの症状を感じやすいとされています
また、ひとつ前の「”いつもどおり”に対してのこだわり」が強い傾向があり、それも関係しています。
そのため、ちょっとした変化やちがった環境において不安や緊張を過度に示す場合はASDの可能性を否定できません。
⑦感覚に偏りがある(敏感さ・鈍感さ)
ASDのお子さんは、特定の感覚に偏りがあり、異常な敏感さを示したり、逆に鈍感さ
を示したりすることがあります。
たとえば、視覚や聴覚が過敏だと普通の子どもや大人では気にならない文字や色彩、音などの刺激に異常な反応を示すことあります。
また、感覚にもさまざまなものがあり、「視覚過敏」「聴覚過敏」以外にも「触覚過敏」や「圧覚過敏」、「嗅覚過敏」などがあります。
そのため、特定の感覚において、敏感な反応を示す場合はASDの可能性があります。
また、特に発達障害のお子さんは“視覚的な世界”を強く持っているので、何かを伝えるときは声などの音声よりも絵でわかりやすく伝えることも大切になります。
⑧人への興味や関心を示しにくい
ASDのお子さんは他人への興味を示しにくいという特徴があります。
また、そのような特徴があるため、母子の言葉のキャッチボールがうまくできなかったり、こちらの働きかけに対しても反応がうすいことが多く見られます。
このようなことから、小さいお子さんに見られやすい、母子のスキンシップや次にご紹介する「あと追い」「ジョイント・アテンション」が見られにくいです。
⑨興味や関心を共有しようとしない
一般的な”健常児”といわれるお子さんであれば、赤ちゃんから成長していく過程でお母さんの後をついてく「あと追い」であったり、興味や関心・感情を共有しようとします。
たとえば、きれいなお花がたくさん咲いていれば、指をさして、近くにいるお母さんや他の大人に対してそれを見るように促します。
ちなみに、このような行為を「ジョイント・アテンション」と言います。
ただ、ひとつ前でもお伝えしたように、ASDのお子さんは興味や関心を他の人に共有しようとしない特徴もあるので、自分の興味や関心をほかの人に共有しようとしないことも多く見られます。
そのため、このような特徴がみられる場合はASDの可能性があります。
⑩コレクションが好き
ASDのお子さんの特徴のひとつである”こだわり”は、膨大な知識の暗記などのコレクションに現れることもあります。
電車や車、バス、飛行機、国旗、数字など、その興味の対象や種類はさまざまです…。
ただ、これらの対象の特徴としては、そのものの形や図柄が変わらないものが多いとされています。
これはASDのお子さんに見られる優れた特徴のひとつでもあります。
日本全国の地名や駅名を覚えていたり、円周率を通常よりも多く覚えていたりするなどする場合はASDの可能性があるといえます。
⑪同じ動作を繰り返す(常同行動)
発達障害のお子さんは同じ動作や行動を繰り返す特徴が見られることがあります。
たとえば、体を揺らしたり、首を左右に振ったり、くるくる回ったり、ソファやベッドの上でぴょんぴょんしたり…。
ほかにも、においを嗅いだり、特定のものを見つめたりなどの行動が見られることもあります。
ちなみに、このような症状を「常同行動」といいます。
そのため、常同行動が多く見られる場合は発達障害の可能性があります。
⑫ルールに執着する
ASDのお子さんはルールに執着することが多いです。
というのも、ルールがあると、物事を予測しやすくなります。
そうすると、変化による不安やパニックを避けやすくなります。
そのため、ASDのお子さんは一度決めたルールなどを厳格に守ろうとする特徴が見られることがあります。
これは個人的にはASDのお子さんの優れた点だと個人的には思います。
ただ、ルールに固執するあまり、柔軟性を失い、お友達と関わったりするうえで、ひとつの障害になる可能性も否定できません。
このようにルールに過度に執着する場合はASDの可能性があります。
⑬言葉の意味をそのまま受け止めやすい
ASDのお子さんはあいまいな表現を理解できないことが多いです。
(これは健常児であっても、当てはまりますが…)
たとえば、「まっすぐ帰りなさい」と言われた場合、一般的なお子さんであれば「寄り道しないで、家に帰りなさい」と、言葉の意図を理解できます。
ですが、ASDのお子さんの場合だと、言葉の意味通り、そのまま「まっすぐ」帰ってしまうことがあります。
日本は文化的にも「空気」や「雰囲気」、「相手の顔色」で読み取る習慣があります。
ですが、ASDのお子さんは、このような目にみえないものを読み取ることが苦手なために、人間関係などをじょうずに築けないという問題もあります。
そのため、なにかを伝えるときには「具体的に」「わかりやすく」伝えてあげることも大切になります。
また、「1秒でできる!」などと言ってしまうと、「1秒で本当にできるの?」「1秒は無理だよ」と否定をしてくることもあります。
このように言葉の意味をそのまま受け取る特徴がある場合はASDの可能性があります。
⑭同時に複数のことをできない
ASDのお子さんは、同時に複数のことをできないことが多いです。
(ですが、これは発達障害のお子さんだけに限ることではありませんし、脳の適切なトレーニングによって改善できる可能性もあります。)
たとえば、わかりやすい例で言うと学校での「板書」です。
先生が言っている話を聞きながら、黒板を見て、そこに書いていることをノートに書き写すというのは大人からすると簡単でも、子どもからすると複雑な動作の一つです。
なぜなら、
・先生の話を聞く
・黒板に書いてあることを認識
・ノートに書き写す
など複数の動作を同時にやっているからです。
実はASDなどのお子さんは、板書がうまくできず、学校の授業についていけなくなるということも少なくありません。
また、これは子どもに何か指示をするときにもしっかりと意識すべきことです。
連続して伝えるのではなく、まずは一つのことをしっかりと伝えて、子どもがそれをできるまで待つことが大事になります。
そして、少しずつ、伝える量を増やしていくなど脳のトレーニングをしていく必要があります。
⑮切り替えがなかなかできない
これは、発達障害でないお子さんでも見られやすいですが、ASDのお子さんは「切り替え」がうまくできないことが多いです。
つまり、なにかひとつの作業に集中してしまうと、終わりの時間が来ても、スムーズに注意を切り替えることができないということです。
ただ、この症状自体はふつうの子どもでも見られますよね。
ですが、ASDのお子さんとの大きな違いは、
指示を理解した上で切り替えができないか
指示自体を聞き逃しているのか
のちがいです。
健常児の場合は、ほとんど前者だと思います。
ただ、ASDのお子さんは、前者のケースが該当する場合もありますが、指示自体を聞き逃している後者の可能性もあります。
そのため、切り替えがスムーズにできない特徴が頻繁にみられる場合はASDの可能性があります。
⑯あいまいな空間・時間の把握が苦手
ASDのお子さんは、あいまいな空間や時間の区分に混乱してしまうことがあります。
たとえば、学校の教室は、スペースが限られていることもあり、さまざまな授業で使用されます。
また、必要に応じて椅子を上げたり、机をまとめて隅に移動したりなど形態の変化もさまざまです。
そのようにいろいろな使われ方をしていると、ASDのお子さんは混乱したり、パニックになったりすることがあります。
そのため、可能であれば、「1教室につき1用途」が理想です。
(とはいっても、家でも学校でも現実的にはむずかしいですよね…)
また、時間に対しても一緒です。
「終わり」がはっきりとわからないと、永遠に今やっていることが続く気がして不安になったり、パニックを起こすことがあります。
そのため、なにかをするときにははっきりと「始まりの時間」「終わりの時間」を伝えてあげることも大切になります。
⑰運動・手先の動きが苦手
ASDなどの発達障害は、脳のアンバランスな発達に問題があるとされています。
また、そのように脳の発達に異常があると、体を動かす際に必要な”脳からの指令”がうまく伝わらないときがあります。
(脳がアンバランスに発達する原因には”遺伝”や”環境”があります。)
そのため、ASDのお子さんの場合、スポーツなどはもちろんのこと、歩く、立つ、走る、姿勢を保つなどの日常的な行動に障害がみられることがあります。
また、この症状は手先の動きなどにもみられます。
例えば、指先の力加減がうまくいかないため、靴下をじょうずに履くことができず、癇癪を起こしてしまうなどあります。
ですので、全身運動や手先の不器用さが過度に見られる場合はASDなど発達障害の可能性があります。
【そもそもASDってなに?】
ASDは”社会性の困難”が大きな特徴
ASDに見られやす行動の特徴や症状を解説してきました。
それをふまえて、「自閉スペクトラム症」とはそもそもどんな発達障害なのかをここではわかりやすく解説します。
自閉スペクトラム症は、さまざまな特性があり、そのあらわれ方にも個人差があります。
また、原因に関してもいろいろなものが考えられますが、根本的な原因は脳のアンバランスな発達とされています。
(脳がアンバランスに発達する原因には遺伝や環境のリスクが関係しています。)
先ほどもお伝えしたようにASDのお子さんにはさまざまな特徴や症状が見られます。
ただ、そのなかでも共通して見られやすいのが以下の2つです。
「人とのコミュニケーションの苦手さや困難」
「こだわりの強さや感覚の方より」
(具体的な症状については先ほどの17の特徴・症状を参考にしてください。)
また、ひとつの発達障害の特性は、ほかの発達障害の特性とも重なり合うことがあります。
(つまり、ASDとADHDの両方の診断を受けるケースも珍しくありません。)
ASDの症状は社会で生きていく上で必要な人間関係を構築する上でネックになる症状がみられることが多いです。
ですので、しっかりとそのような症状を、脳が比較的やわらかい乳幼児期のうちに改善することも大切です。
【似ている特徴がたくさん!】
アスペルガー症候群との大きなちがい
アスペルガー症候群は、自閉スペクトラム症のなかのひとつとされています。
ただ、自閉スペクトラム症と大きくことなるのは以下の2点です。
✓ 言葉を使ったコミュニケーションができる
✓ 知的な遅れがない(IQが70以上)
ですので、6~12歳になるまで、気づかないというケースも珍しくありません。
また、
「できるのにわざとやっていない」
「わざとマナーやルールを破って、怒らせたいのか」
などと誤解されてしまうこともあります。
ただ、ほかの特徴や症状に関しては、自閉スペクトラム症とアスペルガー症候群の類似点が多くあります。
(「言葉をそのままの意味で受け取る」など)
また、その他にも「独特の話し方をする」「話を途中で遮られると怒りやすい」などの症状が見られることがあります。
【どうやって診断するの?】
ASDの診断基準と診断方法
自閉スペクトラム症の診断は、小児科や精神科の医師によっておこなわれます。
また、その際には基本的に以下の2つの手法が取られます。
①親御さんへの質問
②診断基準を用いての観察
それぞれについて、もう少し詳しくみていきましょう。
①親御さんへの質問
お子さんが自閉スペクトラム症か診断する上で、診察室でお母さん・お父さんからお話を聞きます。
たとえば、
「どれくらい子どもが話せるか」
「どんなことを話すのか」
「質問の意味が理解できるか」
「視線を表すのか」
などについてです。
他にも発育歴やふだんの家庭でのようす、保育園・幼稚園、学校でのようすなど、お子さんに関するさまざまなことを医師が質問し、それに答える形になります。
また、診断を受けるときに母子手帳や育児日記、保育園・幼稚園での連絡ノートなどがあると、手がかりにもなります。
ですので、診断を受ける際には持参することをおすすめします。
②診断基準を用いての観察
もう一つは、診断基準と照らし合わせながら、親御さんからのお話やお子さんのようすを観察する方法です。
このときに用いられる診断基準は、アメリカ精神医学会が定めた「DSM(※)」が中心ですが、世界保健機関(WHO)が定めた「ICD-10」が用いられることもあります。
DSMはアメリカ精神医学会から出版される「Diagnosis and Statistical Manual of Mental Disorders(精神疾患の診断・統計マニュアル)」のことです。
DSMは2013年5月にこれまでのDSM4版(DSM-IV-TR)から、5版(DSM-5)に改訂されました。
主な変更点としては、
・重いASDからアスペルガー症候群までが「自閉スペクトラム症」と一本化されたこと
・診断に用いられる項目が多軸診断から「社会コミュニケーションの障害」と「限定した興味は反復行動」に絞られたこと
の2つです。
さいごに
ここまで、代表的な発達障害のひとつである自閉スペクトラム症のお子さんに見られやすい特徴や症状について解説してきました。
最初にもお伝えしましたが、以下で解説する特徴や症状が見られるからといって、必ずしもASDであるということではありません。
ですが、特徴や症状を知っておくことで、お子さんに異変がみられた場合、診断を決意するきっかけになります。
また、ASDスペクトラムの症状を改善する上では脳のトレーニングが大事になりますが、それを踏まえても、早めに気づくことは大切です。
(脳は0歳~8歳の時期に急速に変化します。)
そのため、ここまでご紹介した特徴や症状に多く当てはまる場合は、小児科や精神科の先生に診断してもらうことも大切です。
そのような基準として、チェックしてみてくださいね。