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ASD(自閉スペクトラム症)の子どもとの関わり方と9つのポイント

「ASDの子どもとの関わり方がわからない…」

「もう日々子どもと関わるのがこわい…」

人とのコミュニケーションの苦手さやこだわりの強さ、感覚の方よりなどの特徴が見られやすい「自閉スペクトラム症(ASD)」。

一般的なお子さんと比べて、言葉を発しづらかったり、コミュニケーションを取ることがむずかしいので、子育てをする上でも、大変ですよね…。

そして、うまく子どもと関われないご自身に責任やストレスを感じてしまい、お母さんのほうが壊れてしまうことも少なくありません。

(お母さんは強い責任を感じないでください。ふつうのお母さんよりも大変な子育てをしています。本当にすごいです。)

また、小学校の先生なども発達障害のお子さんの教育や関わり方などについて専門的に学ぶわけではありません。

また、教えること以外の仕事もたくさんあり、自分で勉強する時間を確保できないのも現状です。

そこで、今回はASDのお子さんをお持ちのお母さん・お父さん、また、そのような生徒をクラスに抱える学校の先生にむけて、ASDのお子さんとの関わり方やそのポイントについてわかりやすく解説します。

なるべく実践しやすいよう、具体的なケースに分けて、その対応法を解説してくので、ぜひ参考にしてみてくださいね!

【どうやって関わればいいの?】
ASDのお子さんの特徴と関わり方

ASD(自閉スペクトラム症)は、さまざまな特性があり、そのあらわれ方にも個人差があります。

また、原因に関してもいろいろなものが考えられますが、根本的な原因は脳のアンバランスな発達とされています。

(脳がアンバランスに発達する原因には遺伝や環境のリスクが関係しています。)

ただ、そのなかでも共通して見られやすいのが以下の2つです。

「人とのコミュニケーションの苦手さや困難」

「こだわりの強さや感覚の方より」

(具体的な症状についてはこちらを参考にしてください。)

また、ひとつの発達障害の特性は、ほかの発達障害の特性とも重なり合うことがあります。

(つまり、自閉症とADHDの両方の診断を受けるケースも珍しくありません。)

ただ、自閉症の症状は社会で生きていく上で必要な人間関係を構築する上でネックになる症状がみられることが多いです。

ですので、しっかりとそのような症状を、脳が比較的やわらかい乳幼児期のうちに改善することも大切です。

そのため、以下ではお母さんお父さんや小学校の先生などがなるべくすぐに実践できるように、具体的なケースでの関わり方や対処法を解説していきます。

①【感情表現が少ない…】
話しかけたり、くすぐったりしてあげる

ASDののお子さんは、通常のお子さんに比べて、感情表現が少ないことが多いです。

たとえば、赤ちゃんのころは、少しずつ成長していく過程でお母さんが笑いかけると、赤ちゃんも笑い返してくれるようになります。

また、お腹が空いたり、なにかを求めるときは、泣くことでこちらに訴えかけてきます。

ですが、自閉症のお子さんはこのような感情表現が少ないことが多いです。

そのため、小さい頃は騒いだり、泣いたりすることが少ないため「お利口さん」とほめる方もいますが、発達していく上で、違和感を感じるようになるお母さんお父さんも少なくないです。

あなたのお子さんの年齢や発達段階によりますが、保護者の方ができることは限られています。

そのなかでもまずは比較的実践しやすい、

✓ 母子のコミュニケーション・スキンシップ

✓ デジタル機器の使用をなくす

の2つをおこなうようにしましょう。

発達段階に限らず、自閉症の症状が見られる場合は、とにかく母子のコミュニケーション・スキンシップを通常以上に意識的に増やすことが大切です。

(反応が薄かったりすると思いますが、とにかく楽しく子どもとコミュニケーションやスキンシップをとりましょう)

また、お腹をコチョコチョくすぐってあげるようにするのもおすすめです。

そうすると、笑みがこぼれたり、声を出して嬉しそうな表情をしたりするケースもあります。

そのため、まずはコミュニケーション・スキンシップを意識的にたくさん増やすようにしましょう。

また、もう一つはデジタル機器を避けるようにしましょう。

また、Youtubeや英語のDVD教材なども避ける必要があります。

このようなデジタル機器、動画コンテンツを見ると、子どもはどんどん集中して、”過集中状態”になります。

また、そのような状態になると、もちろん、動画を見ている途中は無表情になりますし、しゃべらなくもなります、

さらに、このようなデジタル機器の不適切な使用はADHDなど他の発達段階の症状をつくるリスクもあります。

そのため、基本的に6歳までのお子さんであれば、デジタル機器の使用は一切さけ、小学校以降のお子さんであれば、1日のトータルの使用時間は2時間、1回の使用時間は20分未満におさえるようにしましょう。

②【言葉をなかなか発しない】
2歳以上なら早めにお医者さんへ

ASDの代表的な症状のひとつである、「言葉をなかなか発しない」という特徴があります。

基本的に通常のお子さんであれば、1歳半~2歳で語彙爆発がおき、さまざまな言葉や単語を覚え、発するようになります。

ただ、この時期になっても、言葉をぜんぜん発しない場合は、早めに医師に診断してもらうことが大切です。

なぜなら、自閉症以外のほかに、聴覚器官やそれに関連する組織に障害がある場合があるからです。

基本的に、自閉スペクトラム症などの発達障害は”脳の発達の遅れ(脳の機能障害)”が根本的な原因であることがほとんどです。

ですが、脳科学の観点からみれば、適切な脳のトレーニングをすることで、そのような症状を改善したり、悪化するのを防いだりすることが可能です。

一方で、聴覚器官や組織の障害に関しては別問題になってきます。

そのため、診断を受けて、発達障害なのか、聴覚障害なのかをしっかりと判断した上で、その後の選択が変わってきます。

ですので、診断を受けていない方はまず診断を受けましょう。

また、自閉スペクトラム症であった場合は、1つ前の部分でご紹介したように、「母子のコミュニケーション・スキンシップ」「デジタル機器の使用をなくす」の2つを実践してみましょう。

また、小学校低学年くらいまでのお子さんであれば「双方向の読み聞かせ」も大切です。

これは、ただお母さんからお子さんへ一方的に読み聞かせをするのではなく、「この子はどんな気持ちかな?」「◯◯ならどうする?」など質問しながらやってあげることが大切です。

そのため、これらのことを日々の生活のなかで積極的に取り入れるようにしましょう。

③【相手の言葉をそのまま繰り返す】
“ゆっくり・わかりやすく・短く”伝える

ASDのお子さんは、“相手の言葉をそのまま繰り返す”という特徴が見られるケースがあります。

お母さんやお父さん、また、大人からすると、言葉をマネサれるのは「バカにしているのではないか」「怒らせようとしているのではないか」などと誤解してしまうことも少なくありません。

ただ、ASDのお子さんがこのような言動をおこなうのには理由があります。

そして、その多くは、

「相手が言っていることが理解できていない」

ということです。

つまり、お母さんやお父さん、先生の言葉をマネするのは、言っていることや伝えていることを理解できていないことが多いということです。

また、ASDのお子さんは、言葉をそのままの意味で受け取ってしまう特徴もあります。

たとえば、「まっすぐ帰りなさい」と言われた場合、一般的なお子さんであれば「寄り道しないで、家に帰りなさい」と、言葉の意図を理解できます。

ですが、自閉症のお子さんの場合だと、言葉の意味通り、そのまま「まっすぐ」帰ってしまうことがあります。

日本は文化的にも「空気」や「雰囲気」、「相手の顔色」で読み取る習慣があります。

ですが、自閉症のお子さんは、このような目にみえないものを読み取ることが苦手なために、人間関係などをじょうずに築けないという問題もあります。

そのため、なにかを伝えるときには「ゆっくり」「わかりやすく」「短く」伝えてあげることも大切になります。

また、「1秒でできる!」などと言ってしまうと、「1秒で本当にできるの?」「1秒は無理だよ」と否定をしてくることもあります。

このように言葉の意味をそのまま受け取る特徴がある場合は自閉症の可能性があります。

ですので、相手に伝えるときは「ゆっくり」「わかりやすく」「短く」伝えることを大切にしましょう。

④【急にパニックになったり、暴れたりする】
“いつもどおり”を大切に。

ASDのお子さんは、急にパニックになったり、暴れたりすることがあります。

また、緊張や不安を感じやすいことが見られることも多いです。

この原因は、ASDのお子さんの「いつもどおりを大切にする」という特徴にあります。

自閉症のお子さんは、毎日のささいな変化に敏感で、ワクワクしたり、驚いたりなどの感情を持ちにくいです。

むしろ、「いつも通りの毎日」を願い、安心を求めています。

そのため、日常生活においても、なるべく同じことをしようとします。

ですが、ちょっとした変化は日常茶飯事ですよね…。

そのようなときに、自閉症のお子さんは同じ言葉を口にしたり、特定の行動を繰り返すこと(常同行動)によって、変化が起きても、そのなかで”いつもどおり”を求めます。

つまり、このような行為によって不安や緊張をやわらげようとしているのです。

ただ、これは急な変化や大きな変化があると、お子さんにとってのいつもどおりが壊され、急にパニックになったり、不安になったりしてしまうのです。

そのため、対応策としては、なるべく不要な変化はなくすことです。

ただ、変化に適用することで成長にもつながるので、いつものことと大きく変わる場合は、あらかじめお子さんに説明することも大切です。

また、何かしらの変化にはお子さんがパニックになったり、暴れたりすることがあるというのを前もって理解しておくだけでも、そうなったときの気持ちの余裕は変わってくるので、常に想定しておくようにしましょう。

⑤【感覚に偏りがある…】
落ち着いた空間を用意する

ASDのお子さんは、特定の感覚に偏りがあり、異常な敏感さを示したり、逆に鈍感さを示したりすることがあります。

たとえば、視覚や聴覚が過敏だと普通の子どもや大人では気にならない文字や色彩、音などの刺激に異常な反応を示すことあります。

また、感覚にもさまざまなものがあり、「視覚過敏」「聴覚過敏」以外にも「触覚過敏」や「圧覚過敏」、「嗅覚過敏」などがあります。

そのため、特定の感覚において、敏感な反応を示す場合は自閉症の可能性があります。

ですので、そのような感覚過敏があるお子さんには、なるべく刺激の少ない静かで落ち着いた空間を整えてあげることが大切です。

また、特に発達障害のお子さんは“視覚的な世界”を強く持っているので、何かを伝えるときは声などの音声よりも絵でわかりやすく伝えることも大切になります。

さらに、ASDのお子さんは、あいまいな空間や時間の区分に混乱してしまうことがあります。

たとえば、学校の教室は、スペースが限られていることもあり、さまざまな授業で使用されます。

また、必要に応じて椅子を上げたり、机をまとめて隅に移動したりなど形態の変化もさまざまです。

そのようにいろいろな使われ方をしていると、自閉症のお子さんは混乱したり、パニックになったりすることがあります。

そのため、可能であれば、「1教室につき1用途」が理想です。

(とはいっても、家でも学校でも現実的にはむずかしいですよね…)

また、時間に対しても一緒です。

「終わり」がはっきりとわからないと、永遠に今やっていることが続く気がして不安になったり、パニックを起こすことがあります。

そのため、なにかをするときにははっきりと「始まりの時間」「終わりの時間」を伝えてあげることも大切になります。

⑥【人に興味・関心を示さない】
母子のコミュニケーションを大切に。

ASDのお子さんは、コミュニケーションに苦手さが見られるので、人に興味・関心を示さないケースも多く見られます。

ここでできるのは、まずは母子のコミュニケーションを意識的に取ることです。

また、もし、保育園や幼稚園、小学校であまり友達ができなかったり、仲良くできなかったりする場合は、ほかのコミュニティに参加して、気が合う仲間を見つけるのもひとつです。

そのため、小学校以上のお子さんであれば、好きな興味から習い事やお教室を選んで、その先の子どもと仲良くなるきっかけを作ってあげることも大切です。

⑦【同時に複数のことをできない】
ひとつひとつ、その子のペースに任せる

ASDのお子さんは、同時に複数のことをできないことが多いです。

(ですが、これは発達障害のお子さんだけに限ることではありませんし、脳の適切なトレーニングによって改善できる可能性もあります。)

たとえば、わかりやすい例で言うと学校での「板書」です。

先生が言っている話を聞きながら、黒板を見て、そこに書いていることをノートに書き写すというのは大人からすると簡単でも、子どもからすると複雑な動作の一つです。

なぜなら、

・先生の話を聞く

・黒板に書いてあることを認識

・ノートに書き写す

など複数の動作を同時にやっているからです。

実は自閉症などのお子さんは、板書がうまくできず、学校の授業についていけなくなるということも少なくありません。

また、これは子どもに何か指示をするときにもしっかりと意識すべきことです。

連続して伝えるのではなく、まずは一つのことをしっかりと伝えて、子どもがそれをできるまで待つことが大事になります。

そして、少しずつ、伝える量を増やしていくなど脳のトレーニングをしていく必要があります。

⑧【うまく切り替えができない】
原因を見極め、それによって対処する

ASDのお子さんは「切り替え」がうまくできないことが多いです。

つまり、なにかひとつの作業に集中してしまうと、終わりの時間が来ても、スムーズに注意を切り替えることができないということです。

ただ、この症状自体はふつうの子どもでも見られますよね。

ですが、自閉症のお子さんとの大きな違いは、

指示を理解した上で切り替えができないか

指示自体を聞き逃しているのか

のちがいです。

健常児の場合は、ほとんど前者だと思います。

ただ、自閉症のお子さんは、前者のケースが該当する場合もありますが、指示自体を聞き逃している後者の可能性もあります。

そのため、切り替えができない場合は、先ほどもお伝えしたように、終わりの合図を「ゆっくり」「わかりやすく」「短く」伝えることを大切にしましょう。

また、なにかを始めるときは、アナログ時計やアラーム付きのタイマーなどで、終わりの時間がわかりやすいように伝えることも大切です。

⑨【運動・手先の動きが苦手】
ボール遊びや箸つかみなどゲーム感覚で!

ASDは、脳のアンバランスな発達に問題があるとされています。

また、そのように脳の発達に異常があると、体を動かす際に必要な”脳からの指令”がうまく伝わらないときがあります。

(脳がアンバランスに発達する原因には”遺伝”や”環境”があります。)

そのため、自閉症のお子さんの場合、スポーツなどはもちろんのこと、歩く、立つ、走る、姿勢を保つなどの日常的な行動に障害がみられることがあります。

また、この症状は手先の動きなどにもみられます。

例えば、指先の力加減がうまくいかないため、靴下をじょうずに履くことができず、癇癪を起こしてしまうなどあります。

ですので、運動に関してはボール遊びや縄跳び、手先の動きに関してはお箸の練習などをするようにしましょう。

【脳のトレーニングが大切!】
コミュニケーションに大切な”前頭前野”

ASDは、脳の発達の遅れ(脳の機能障害)に根本的な原因があると考えられています。

そのなかで、特に注目したいのが“前頭前野”です。

前頭前野は、複数の情報を一時的に保持する“ワーキングメモリ機能”や自分の感情や欲求をコントロールする“自制心”などの働きがあります。

また、それに加えて、相手の気持ちを考えたり、予測したりする力、また、コミュニケーション能力にもかかわってきます。

そのため、前頭前野のトレーニングをすることで、「コミュニケーションの苦手さ」を解決するきっかけにもなります。

さらに、前頭前野のトレーニングをすることで、複数のことを同時におこなったり、自生したりすることができるようにもなります。

ですので、コミュニケーションだけでなく、他の症状に対しても改善が見られる場合があrます。

また、前頭前野の発達は一生を通しておこなわれるとされていますが、4~6歳をピークに8歳までが最も発達しやすい時期とされています。

この時期を過ぎてしまうと、トレーニングをしても発達障害の症状を改善しにくくなるのも事実です。

ですので、発達障害である場合は、早めにトレーニングを始め、改善していくことが必要になります。

さいごに

ここまで、ASDに見られやすいお子さんへの具体的な関わり方や対処方法に関して解説してきました。

また、前頭前野などの脳のトレーニングなどについても触れてきました。

ASDのお子さんは、通常のお子さんに比べてコミュニケーションが苦手であることが多いですが、その分、創造性などが高いという研究報告もあります。

ですので、新しいアイディアや発想をし、なにかを発明したり、芸術家になったりする可能性も秘めています。

そのため、これらの点を踏まえて、お子さんと関わっていくことが大切です。

ただ、まずは日常生活のなかでできる、ASDのお子さんとの具体的な関わり方を実践してみることを大切にしましょう。