「うちの子どもはじっと座っていることができない…」
「話しかけても、反応がないし、感情表現も少ない…」
ほかの子どもと少し違うな…と感じて、子どもが発達障害ではないかと不安に思っている方も多いと思います。
発達障害についての診断を受けようとか迷っているけど、なかなか勇気がでないという方もいらっしゃると思います。
発達障害には「ADHD」や「ASD(自閉症スペクトラム症)」、「学習障害(LD)」などさまざまなものがありますし、目立つ症状や特徴なども異なります。
また、2つ以上の発達障害を併発するケースもあります。
ただ、そもそも発達障害児と健常児の間に明確な区別もなく、発達障害の診断で用いられる基準(「DSM」や「ICD-10」)なども適切なのか議論が絶えません。
ですが、これを踏まえても発達障害の診断は子育てをしていく上でも重要なツールのひとつです。
そこで、今回は何らかの発達障害をもっている可能性がある子どもの特徴や症状について、具体的に解説していきます。
「発達障害の診断を受けようか迷っている…」
「うちの子、もしかしたら発達障害なのかな…」
と思っていらっしゃる方はぜひ参考にしてみてくださいね。
【どんな症状があるの…?】
発達障害の可能性がある子どもの特徴
ADHDやASD、LDなど、発達障害によってお子さんにみられる特徴や症状などは変わってきます。
そこで、以下では何らかの発達障害をもつお子さんのみられる特性や特徴について、ご紹介していきます。
①泣かない・微笑まない
赤ちゃんは、お腹が空いたり、おもらしなどでオムツの中が気持ち悪いと感じたりすると、泣いてそれを伝えようとします。
また、ふつうのお子さんであれば、くすぐれば笑いますし、乳幼児期の小さいお子さんであれば安心を求めようとしてお母さんとのスキンシップを求めます。
ですが、発達障害をもつお子さんの場合、くすぐったり、あやしたりしても笑わなかったり、反応を示さなかったりすることがあります。
つまり、通常のお子さんに比べて感情表現が少ないという特徴があるのです。
また、この症状が見られる場合、ASD(自閉症スペクトラム症)の可能性が高いです。
②人と目を合わせない・
名前を読んでも振り抜かない
何らかの発達障害をもっている場合、人と目を合わせなかったり、名前を読んでも振り向かなかったりする特徴がみられます。
通常であれば、育児の家庭でお母さんが子どもの目線に合わせたり、名前を呼んで話しかけたりすることがで、だんだん人とを目を合わせたり、自分の名前を認識したりするようになります。
ただ、発達障害のお子さんの場合は、なかなか人と目を合わせることができなかったり、名前を呼んでも反応が薄かったりなどの特徴が見られrます。
これもASDのお子さんの見られることが多いです。
③初語や言葉の発達が遅い
子どもはお母さんやお父さんなど周囲の人とコミュニケーションを取りたいと思い、言葉を覚えていきます。
赤ちゃんは生まれてから約半年で「あー」「うー」などの喃語を発し、その後、少しずつ母子のコミュニケーションやそのほかの人との関わりによって言葉を習得していきます。
また、1歳半から2歳くらいには”語彙爆発”を起こし、さまざまな単語を覚え、話すようになります。
ただ、もちろんこれには個人差があるので、言葉の発達が遅い・早いという個人差はあります。
ですが、1歳半~2歳になっても、まったく言葉を発しなかったり、こちらの問いかけや声掛けに対してもぜんぜん返答しないようであれば、ASDなどの発達障害である可能性があります。
また、ASDのお子さんに見られる発達障害の症状の一つに“クレーン現象”があります。
これは、例えば、ほしいものがあるときに、「あのおもちゃを取って」と言葉で伝えずに、ほしいものがある場所までお母さんの手を引いて連れていこうとします。
このような現象を”クレーン現象”と言います。
言葉は発することができる発達段階にも限らず、このような特徴がみられる場合はASDの可能性があります。
④触れるものに敏感・
抱きしめられるのをイヤがる
発達障害のお子さんに見られる症状のひとつに“感覚過敏”があります。
たとえば、視覚や聴覚が過敏だと普通の子どもや大人では気にならない文字や色彩、雑音・物音などの刺激に異常な反応を示すことあります。
また、感覚にもさまざまなものがあり、「視覚過敏」「聴覚過敏」以外にも「触覚過敏」や「圧覚過敏」、「嗅覚過敏」などがあります。
そのため、特定の感覚において、敏感な反応を示す場合はASDの可能性があります。
また、これに加えて、味や臭いに敏感なケースもあります。
この場合、お子さんは食べ物によっては砂やゴムを噛んでいるように感じたり、強い粘つきを感じたりして、特定の食べ物を嫌がることもあります。
これに加えて、偏食などが目立つ場合も発達障害の可能性が否定できません。
ほかにも、爪切りを嫌がったり、髪や体を洗うの嫌がったり、歯磨きを嫌がったりなどの症状もみられることがあります。
⑤親から離れても平気・
迷子になっても泣かない
スーパーやテーマパークでは、お子さんは興味関心を示し、いろいろなところに勝手に行ってしまいます。
そして、親から無意識のうちに離れた後、迷子になると泣いてお母さんを探しますよね。
ところが、発達障害の特性をもつお子さんは、親御さんから離れて迷子になっても泣いたりしないことがあります。
また、迷子になってもひとりで静かにしているので、周囲の人も迷子だと気づくことができません。
もちろんお子さんの年齢によっては泣きませんが、乳幼児のお子さんで、迷子になっても泣かない特徴がみられる場合はASDの可能性があります。
⑥ひとりで遊ぶことが多い・
友達の輪に入らない
個人差はありますが、3歳ごろになると、友達といっしょに遊んだり、集団遊びを始めたりします。
もちろん、友達と遊ぶより、ひとりで遊ぶことを好むお子さんがいます。
ですが、本当はみんなと遊びたいのに、発達障害の特性をもつお子さんはコミュニケーションが苦手なことが多いので、それが原因で友達の輪に入ることができないことも…。
また、そのほかにも急に友達の話を遮って話に入ったり、状況とは関係なくニヤニヤしたりなどして、友達関係を築くことができない場合もあります。
(今風な言葉でいうと「空気を読めない」「人の表情が読めない」ということです。)
そのため、ひとりよりみんなで遊ぶことが好きなのに、コミュニケーションが苦手で友達の輪に入れな場合は、発達障害、特にコミュニケーションにおいて困難を示すASDの可能性があります。
⑦独特な話し方をする・
一方的におしゃべりする
発達障害の特性をもつお子さんは、年齢に不相応な話し方や大人びた表現を使うなどの特徴が見られることがあります。
ただ、流暢に話していたとしても、自分が話している内容や表現の意味をいまいち理解できていないことが多いです。
また、自分が話すのは問題なくても、相手の話が理解できていない子どももいます。
(そういった子どもは、相手の言葉を繰り返す特徴が見られます。)
加えて、相手の反応や表情を感じることが苦手なため、一方的におしゃべりし続けて相手を困惑させてしまうことも…。
そのため、次々に話の話題を変えて、おしゃべりが止まらなくなってしまう特徴が見られる場合も発達障害の可能性があります。
⑧こだわりやモノへの執着が強い
発達障害の特性を持つお子さんの中には、毎日のささいな変化に敏感で、ワクワクしたり、驚いたりなどの感情を持ちにくい子もいます。
そのような子どもは、「いつも通りの毎日」を願い、安心を求めています。
そのため、日常生活においても、なるべく同じことをしようとします。
ですが、ちょっとした変化は日常茶飯事ですよね…。
そのようなときに、自閉症のお子さんは同じ言葉を口にしたり、特定の行動を繰り返すこと(常同行動)によって、変化が起きても、そのなかで”いつもどおり”を求めます。
つまり、このような行為によって不安や緊張をやわらげようとしているのです。
また、特徴のひとつである”こだわり”は、膨大な知識の暗記などのコレクションに現れることもあります。
電車や車、バス、飛行機、国旗、数字など、その興味の対象や種類はさまざまです…。
そのため、このような特徴がある場合は発達障害の可能性があります。
⑨ちょっとした変化でパニックに…。
すぐに不安になったり、緊張したりする
発達障害の特性を持つお子さんの中には、毎日のささいな変化に敏感で、ワクワクしたり、驚いたりなどの感情を持ちにくく、「いつも通りの毎日」を願い、安心を求めていることをお伝えしました。
そのため、いつもとちがうちょっとした変化でパニックになったり、初めての環境や慣れない空間になると不安になったり、緊張したりします。
もちろん、通常のお子さんでもこのような症状がみられますこのような特徴な過度みられる場合は発達障害の可能性があります、
また、このような特徴があると、学校での行事やイベント、集団行動・共同作業において困難を示すことが多くなります。
⑩同時に複数のことをできない
発達障害の特性を持つお子さんは“同時に複数のことをできない”ことが多いです。
(ですが、これは発達障害のお子さんだけに限ることではありませんし、脳の適切なトレーニングによって改善できる可能性もあります。)
たとえば、わかりやすい例で言うと学校での「板書」です。
先生が言っている話を聞きながら、黒板を見て、そこに書いていることをノートに書き写すというのは大人からすると簡単でも、子どもからすると複雑な動作の一つです。
なぜなら、
・先生の話を聞く
・黒板に書いてあることを認識
・ノートに書き写す
など複数の動作を同時にやっているからです。
このように同時に複数のことができない特性が見られる場合は何ら観発達障害である可能性が高いです。
⑪切り替えをスムーズにできない
これは、発達障害でないお子さんでも見られやすいですが、自閉症のお子さんは「切り替え」がうまくできないことが多いです。
つまり、なにかひとつの作業に集中してしまうと、終わりの時間が来ても、スムーズに注意を切り替えることができないということです。
それに加えて、
指示を理解した上で切り替えができないか
指示自体を聞き逃しているのか
のちがいもあります。
健常児の場合は、ほとんど前者だと思います。
ただ、ASDのお子さんは、前者のケースが該当する場合もありますが、指示自体を聞き逃している後者の可能性もあります。
そのため、切り替えがスムーズにできない特徴が頻繁にみられる場合は発達障害の可能性があります。
⑫言葉の意味をそのまま受け止めやすい
(言葉や会話の含みあわからない)
発達障害の特性を持つお子さんはあいまいな表現を理解できないことが多いです。
たとえば、「まっすぐ帰りなさい」と言われた場合、一般的なお子さんであれば「寄り道しないで、家に帰りなさい」と、言葉の意図を理解できます。
ですが、発達障害のお子さんの場合だと、言葉の意味通り、そのまま「まっすぐ」帰ってしまうことがあります。
日本は文化的にも「空気」や「雰囲気」、「相手の顔色」で読み取る習慣があります。
ですが、発達障害のお子さんは、このような目にみえないものを読み取ることが苦手なために、人間関係などをじょうずに築けないという問題もあります。
また、逆に、ストレートに相手に思ったことを伝えてしまう場合もあります。
(たとえば、肥満体家の方に向けて「太っている」と直接言ってしまうことです。)
このように言葉の意味をそのまま受け取る特徴がある場合は発達障害の可能性があります。
⑬寝付きが悪い・すぐ目が覚める
発達障害の特性をもつお子さんは、寝てもすぐに目が覚めてしまうことがあります。
お母さんの腕のなかでうたたねしても、いざベッドに寝かせようとすると、すぐに気がついて泣き出してしまったり、夜泣きが続いたりしてしまいます。
(そのため、お母さんが子育てや育児でヘトヘトになったり、うつ状態になったりすることも少なくありません…)
睡眠の問題は成長とともに解消されていくものですが、睡眠のリズムが安定しないとこのような症状がみられることもあります。
そのため、これらの特徴が目立つ場合は発達障害の可能性を否定できません。
⑭前ぶれなく怒る・
その場にふさぎこむ
通常のお子さんであれば、なにか嫌なことをされたり。ストレスが溜まったりすると、それと直接相手に伝えたり、ぶったりなどしてストレートに表現します。
ですが、発達障害の特性をもつお子さんの場合は、自分の感情をじょうずに伝えることができず、ストレスだけをためてしまいます。
そして、何かの拍子にためていものが爆発して、前ぶれなく怒ったり、その場にふさぎこんだりします。
そのため、これらの特徴がみられる場合は発達障害の可能性があります。
⑮時間の概念の理解が乏しい。
“時間間隔”への理解が弱い…
発達障害の特性をもつお子さんは、時間の概念の理解が乏しい特徴が見られることがあります。
たとえば、半年前のことでも、ついさっきあったように話したり、過去にあった楽しいことが最近のことのように話したりします。
このように発達障害のお子さんは「昨日」「今日」「明日」「1時間」「5分」などの時間の概念の理解が困難であることがあります。
そのため、このような特徴がみられたら、何らかの発達障害の可能性があります。
⑯姿勢の乱れがみられる
「姿勢の乱れ=やる気がない」
と判断されることが多いです。
ですが、発達障害のお子さんのなかには筋力の極端な弱さや身体のアンバランスな発達が原因であることが多いです。
そうすると、やる気や集中力に関係なく、姿勢が乱れてしまうようすが多く見られることがあります。
そのため、姿勢が頻繁に乱れる特徴がある場合は何らかの発達障害の可能性があります。
⑰ルールを守れない。
順番を待つことができない…。
発達障害の特性をもつお子さんのなかには自分の感情を抑えたり、コントロールすることができない子がいます。
そうすると、お友達と遊ぶときに、順番を待たずに抜かしたり、ルールを破ったりしてしまい、ケンカになることも…。
そうなると、子どもの同士の関係はもちろん、親御さん同士の関係悪化になることもあります。
そのため、子どもに順番やルールを守ることを伝えても、それが改善しない場合はADHDなどの発達障害の可能性があります。
⑱じっとしていられない。
すぐに行動してしまう。
発達障害の特性を持つお子さんは、じっとしていられないことが多いです。
たとえば、常に手足をソワソワ動かしたり、何かをトントン叩いたりするなどの行為がみられます。
また、幼稚園や保育園、小学校でじっと席に座ることができずに、走り回ったり、姿勢が悪くなってしまったりなども特徴のひとつです。
ですので、家の中だけでなく、保育園や幼稚園、学校でもこのような特徴・症状がみられる場合はADHDの可能性があります。
(ADHDの診断基準では、2つ以上の場所で6ヶ月以上継続してこのような症状が見られる場合、ADHDである可能性が高いとされています。)
ただ、このような特性は、“子どもらしさ”でもあります。
そのため、新しいものや自分が知らないもの・見たことがないものに興味を示すのは何も悪いことではありません。
その点はしっかりと理解していただけると幸いです。
⑲忘れ物やモノをなくすことが多い。
細かいところに注意がいかない。
発達障害のお子さんに見られる特徴のひとつに「不注意」があります。
この不注意の特性があると
「忘れ物を多くする」
「モノをなくすことが多い」
などの症状がみられます。
ただ、これは子ども自身の責任というよりは脳の発達がアンバランスなことに原因があります。
そのため、子ども自身も「どうして忘れてしまうんだろう」と責任を感じていることが多いです。
ですので、忘れっぽさやモノをなくすという特徴が目立つ場合はADHDの可能性があります。
⑳集中力が続かない…。
発達障害のお子さんは集中力がぜんぜん続かない特徴が見られることがあります。
集中力の持続時間は個人差がありますが、症状が過度だと2~3分間の読書ができないということも…。
また、これには脳の発達や脳内のドーパミンなどの伝達物質の分泌に異常があったりなど、さまざまな要因が考えられています。
さらに、そのような特性を持つお子さんは、雑音や何気ない些細なできごとに気を取られやすく、そのような”外からの刺激”によって、注意が散漫になり、集中が途切れてしまうともされています。
もちろん、子どもなので長時間の集中はむずかしいですが、明らかに同じ年齢くらいの子どもたちにくらべて集中力が低い場合は特にADHDの可能性があります。
㉑自分の感情を抑えることができない。
友達とケンカしたり、ぶったりしてしまう。
ADHDなどの発達障害の特性をもつお子さんの特徴のひとつに「衝動性」があります。
衝動性があると、自分の感情を抑えたり、コントロールすることができません。
そうすると、お友達とケンカしたり、そのときにぶったりしてしまうようすが見られます。
そのため、頻繁に暴力をふるってしまったり、癇癪を起こしたりする症状が多く見られる場合はADHDなどの可能性があります。
㉒文章をじょうずに読めない。
意味で区切って読めない、読み間違いが多い。
発達障害の特性を持つお子さんは、本や国語の文章を読んでいる途中で、どこを読んでいるかわからなくなることが多く見られます。
そのため、文章を音読して、同じところを何回も読んでしまったり、途中でどこを読んでいるかわからず黙ってしまう場面が多くみられます。
また、意味で区切って文章を読めないことがあります。
たとえば、
「あめがふる」
という文章があったとき、通常のお子さんであれば、
「あめ が ふる」
というふうに意味で区切って文章を読むことができます。
ですが、発達障害の特性をもつお子さんの場合、このように意味のまとまりを見極めて、区切ることができず、そのまま読んでしまう特徴がみられることがあります。
また、「はる」「ほる」など形の似た文字を読み間違えることが多いです。
加えて、見ている文字がゆらいで見えたり、にじんで見えたりすることも…。
このような特徴が見られる場合は学習障害など、発達障害の可能性があります。
㉓聞き間違いや聞き逃しが多い
発達障害の特性をもつお子さんには、聴覚過敏の症状が見られることがあり、ちょっとした雑音やノイズに敏感に反応してしまい、それが原因で聞き間違いや聞き逃しをしてしまうことがあります。
また、このような症状がみられる場合、発達段階ではなくて、聴覚に障害があったり、異常があったりすることもあります。
ですので、普通なら聞き取れるくらいのスピードや声の大きさにもかかわらず、聞き間違いや聞き逃しが多い場合は、念のためはやめに診断を受けるようにしましょう。
㉔順序立てて話すことが苦手
発達障害の特性をもつお子さんは伝えたいことや話したいことがあっても、それを言葉にするときに上手に伝えることができなかったり、話の構成をうまくつくれなかったりすることがあります。
ですので、「なにか困ったことがあったら相談してね」と言っても、お子さん自身、それができず、一人で思い悩んでしまうことがあります。
もちろん、発達段階を考慮する必要はありますが、明らかに話をまとめるのが苦手であったり、筋道を立てて話すことができない場合は発達障害の可能性があります。
㉕計算や図形の理解が苦手。
推論することも苦手…
小学生に上がってから、簡単な足し算や引き算などの計算で頻繁にミスがみられる場合は、発達障害の可能性があります。
(たまにケアレスミスする程度なら問題ありません)
そのようなお子さんは「+-×÷」などの四則計算の記号の意味を理解して活用することができない場合もあります。
また、簡単な計算ができても、繰り上がりや繰り下がりの計算になるとわからなくなってしまう場合があります。
加えて、図形のイメージができなかったり、十の位や一の位などの空間の認知ができない場合があります。
そうなると、図形の問題が解けなかったり、ひっ算などをするときに、桁をまちがえたりすることがあります。
そのため、このような特徴が目立つ場合は学習障害などの発達障害の可能性があります。
㉖手先が不器用…。
全身運動も苦手。
発達障害の特性をもつお子さんは手先の動きや全身の運動などに障害的なものがみられるケースもあります。
たとえば、手先が不器用なために、箸が使えなかったり、鉛筆をもてなかったりすることも…。
また、もちろん、発達障害のお子さんで運動神経がいいお子さんもいますが、全身運動が苦手なお子さんもいます。
この場合、2つ以上の発達障害と併発している可能性もあります。
ですので、手先の動きや全身運動に異常が見られたりする場合には発達障害の可能性があることもしっかりと把握しておきましょう。
【発達障害かも…と不安になったら】
早めに診断を受けることがとても大切。
発達障害の根本的な原因は「脳」にあります。
つまり、
発達障害=脳の発達の遅れ(脳の機能障害)
ということです。
脳は、人間の生活のすべての指令を司る部分です。
「見る」「聞く」などの基本的な”機能”はもちろんのこと、「記憶」「感情」「話す(コミュニケーション)」などの”機能”もすべて脳が重要な役割を果たしています。
また、自分の感情や欲望をコントロールしたり、目標を立てて計画を立てたりするのも脳の重要な”機能”の一つです。
ただ、何らかの原因で異常がもたらされ、通常より脳の発達が遅れると、これらの”機能”に障害が生まれることがあります。
これが「発達障害」です。
でも、脳は一生をもって変化しつづける特殊な器官です。
(もちろん、脳が変化しやすい時期とそうでない時期がありますが、0~8歳の子どもは特に脳が変化しやすい時期とされています。)
そのため、何らかの原因で脳の発達が遅れ、機能障害が生じたとしても、適切なトレーニングによって、未熟な脳を発達させることで、発達障害は改善することができます。
また、脳は環境や日々の経験によって、どんどん変化していきます。
(特に0~8歳はみるみる変化していきます。ですので、「幼児教育」が大切になります。)
つまり、“脳科学”の分野からすると、そもそも「発達障害=生まれつき」という表現がまちがっているし、「生まれつきだから改善しない」ということもありえないのです。
そのため、診断を受けて、何らかの発達障害と診断されたとしても、適切な脳のトレーニングをすることで、症状を改善したり、悪化するのを防いだりすることもできます。
ただ、繰り返しになりますが、若ければ若いほど脳はやわらかく、変化しやすいです。
逆に、大人になってから発達障害の症状を改善しようとすると、脳が硬くなっているので時間がかかります。
そのため、今回ご紹介した特徴や症状が多く見られたり、直感的に違和感をを感じた場合は早めに診断を受けるようにしましょう。
さいごに
ここまで、発達障害のお子さんに見られやすい症状や特徴などについて解説してきました、
今回ご紹介した特徴が多く見られる場合は、早めに診断を受けるようにしましょう。
また繰り返しになりますが、発達障害は”脳の発達の遅れ”が原因です。
そのため、早めに改善すべき症状や特著がわかれば、適切な脳のトレーニングで発達障害の症状を改善したり、軽度に抑えたりすることができます。
そのため、診断を受けてみようか迷っている方は早めに診断を受けることを個人的にはおすすめします。